一部の変態の皆様、大変長らくお待たせしました。やるやる詐欺をずっとしていたマザーボードの防水加工講座、やっと書くことができました。
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Twitterとかツイキャスではちょいちょい話していたのですが、「マザーボードの防水加工」についてのご質問を多く受けるようになりました。最初は1対1で解説していたのですが、もうこれ誰でも見られるように記事にして書いちゃったほうが楽なんじゃない?ということで書いちゃいました。てへっ。
そもそもマザーボードの防水加工ってなんなん?
まずはここですよね。そもそも防水加工ってなんやねんと。
防水加工ってのはその名の通り、水滴がついたり結露したり、水分が付着してしまうような環境でマザーボードを使う場合にやります。私は極冷OCをするのでよほどの理由がない限り防水加工を施したマザーボードを使っています。
防水加工自体にもいろいろあって、大会等でその場でコーティングが必要な場面でよく用いられるのはワセリンです。そうです、あの皮膚に塗るワセリンです。ただ、ワセリンはベタベタするし、長持ちもしませんし、ホコリが付いてしまったりするのであくまで緊急用等に使うものだと私は考えています。他にも、紙テープを使ってやったりもしましたがやはり長期間何度も使うのには適しません。
じゃあ何を使うのさ
私はプラスティディップという液状ゴムスプレーを使っています。色々なタイプのスプレーを試しましたが、これが一番バランスが良かったです。色も4色(黒・白・赤・クリア)がありますのでお好みの色をお使いください。今回の解説記事でもこちらのプラスティディップの白を使います。
他にもサンハヤトのハヤコートなんかも時々使います。クリアでマザーボードのデザインを損ねずに防水加工することができます。が、欠点として塗るのがプラスティディップに比べてちょっと難易度が上がります。なので慣れてきてから使うのがベターかなと思います。
どういう人に必要なの?
極冷OCをする方はもちろん、最近はMODPCや本格水冷PCを組まれる方も興味がある方がいらっしゃるようです。
そもそも防水加工って必須なの?
先程言ったとおり、簡易的な養生だけでも極冷OCをすることはできます。ですが、長時間その状態で使っているとシステムが不安定になってしまったり、最悪故障に繋がる場合もあります。そうした場合に一番損をしたり悲しい思いをするのは自分です。なので、必須とは言いませんが私は強く推奨します。壊れてからでは遅いのです。
防水加工をすることでパーツの寿命はかなり伸びます。私はこれまで結露や水没によってマザーボードを壊したことがないのはコーティングをちゃんとやっていたからだと思っています(マザーボードを壊したことがないとは言っていない)。慣れればそこまで難しいものでもありませんし、コストも何万円もかかるわけではありませんからね。
もちろん自己責任でね
もう正直このブログに書いてあること全部なのですが、生産性のない揚げ足取りがいらっしゃるので書いておきます。
防水加工は、もちろんマザーボードの保証対象外行為になります。防水加工に関して起きた全ての動作不良や故障に関して私は一切の責任を負いません。防水加工を試す方は自己責任でお試しください。
さて、では実際に手順をご紹介いたします。
防水加工をやってみよう!
使ったもの
・ROG RAMPAGE VI APEX
・プラスティディップ 白
・マスキングテープ
・忍耐力
・集中力
下準備
まずは、スプレーを吹く前に各種スロットや塗料が入り込んでは行けない場所にあらかじめマスキングテープなどを使って養生をします。
まずは各種ヒートシンク等をひん剥きます。
そしてスロット等にマスキングを施します。CPUソケットはCPUをつけた状態で、その上から養生すると楽です。
今回私はVRM等の養生はしていませんが、MODPCなどの用途でコーティングされる際はVRMのヒートシンクが当たる場所にもコーティングしておくと良いでしょう。面倒だったらコーティングした後に剥がすのもありです。
ちなみに、よほど厚塗りにしない限りはマザーボードのLEDは上から塗ってしまっても透けて光ります。
これは塗装後の写真ですが、CPUソケットの後ろに穴が開いているマザーボードがあります。極冷時にソケット裏の温度測定をするための穴なのですが、ここを何かしらの手段を使って塞いだ状態でスプレーを吹いてください。私は爪楊枝を切って加工したものをよく使っています。
これで下準備が終わりました。
じゃあ実際塗ってみよう
スプレーを吹く前に、スプレーをぬるま湯で温めてから吹くとダマが少なく、均一に綺麗に塗れます。一度に厚塗するのではなく、3~4回に分けて少しずつ塗り重ねていってください。このあたりは塗装について調べていただいたほうがわかりやすいと思います(スプレーの缶にも塗り方がちゃんと書いてあるので、良く読みましょう)。焦りは禁物。
季節や地域によって乾燥時間が変わるので、ご自身で調整してみてください。
こんな風にロゴを入れてみたりもできます。熱いぜ!ベイスターズ!
塗り終わった
真っ白。
マスキングを剥がします。剥がす際は、カッターナイフやピンセットを使いながら剥がすと綺麗にはがせます。くれぐれも強くこすりすぎて基盤や実装部品を傷つけないように。
ヒートシンクを戻します。VRM部のヒートシンクはCPUポットをつける際に邪魔になるので外したままにしておきます。
裏面。
ロゴ入れは初めてやりましたがうまくいきました。
ここまで来たらしっかり動作確認しておきましょう。各種スイッチやコネクタがちゃんと使えるかどうかしっかりチェックしておいてください。
んじゃ使ってみるべ
ちゃんと使えました。LEDもちゃんと光っていますね。
確かにマスキングは面倒ですし塗装するのも両面やる必要があるので時間はかかりますが、時間と手間をかけるだけの効果が確実にあります。何度も言うように自己責任にはなりますが、試してみてはいかがでしょうか。
以上、マザーボードの防水加工講座でした。
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