お待たせいたしました。一部の方々が気になっているであろう「OC PIN MOD」について書いていきたいと思います。
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※この記事には保証対象外となる行為が含まれています。この記事は保証対象外行為を推奨するものではありません。このMODに関して起きた全ての動作不良や故障に関して私は一切の責任を負いません。MODを試す方は自己責任でお試しください。
一部の変態な方々にしか需要のない記事だとは思うのですが、あまりちゃんと解説してくれているサイトがないので書こうかなと思います。一番上にも書きましたが、はんだ付け等もしなきゃいけないので自己責任でね。
OC PINとは何者なのか
この金色のちっこい金属の棒がOC PINです。こいつが一体何なのか、またこいつを使ってやることでどうなるのかというお話を最初にしていきたいと思います。
DMI Voltage
SKL/KBL-Sの極冷OCをやっていた方は覚えていらっしゃるかもしれませんが、DMI Voltageという電圧項目があります。これはCPUのCBB(コールドブートバグ)や、3Dベンチをやる際にCPUがうまく回らない等の問題を解決するための電圧項目として重宝されてきました。
ですが、KBL-Xではこの電圧項目が触れなくなってしまいました(理由はひとまず置いといて、とりあえず弄れなくなったとだけ思っておいてください)。しかし、ASUSはこのOC PINを使用することでDMI Voltageを無理矢理触れるようにしたのです。つまり、このOC PIN MODは「KBL-XでもDMI Voltageを弄れるようにするためのMOD」なわけです。わかりやすくするためにかなり端折って説明しています、ご了承ください。
どんな状況の時に必要なのか
まずこのOC PIN MODですが、SKL-Xでは使えません。KBL-Xのみの対応となります。そして、前述の通りDMI Voltageを弄る必要のない環境(空冷、水冷、ドラエタ等)では基本的にMODの必要はありません。LN2以上の冷媒を使ってOCする方で、KBL-Xを使う方が対象となります。
RSVD Switch
そしてここで出てくるのがRSVD Switchです。このSwitch自体はM9Aのときもあったので詳しく解説はしませんが、CBBをなくすためのSwitchです。
M9AではこのSwitchは1つだけだったのですが、R6Aになって2つに増えました。で、何が違うのかって話ですよ。
RSVD1はM9AのRSVD Switchと似たような動きをするようです。そしてOC PIN MODをしなくても使えるようです。
そして、RSVD Switch2はOC PIN MODをした状態でないと使えないようです。RSVD2の方はDMI Voltageを昇圧させるので必要なんですね。
以下の表はROGチームのOCGuideから引っ張ってきた表です。
Voltage |
RSVD1 |
RSVD1+RSVD2 |
VCCIO |
1.45V |
1.20V |
DMI Voltage |
N/A |
1.60V |
PLL Bandwidth |
Level 8 |
Level 8 |
Core PLL |
2.25V |
2.25V |
PLL Termination |
1.41V |
1.41V |
このように、RSVD2の方はDMI Voltageが昇圧されているのがわかります。ちなみに、RSVD2はRSVD1と組み合わせて使います。
なんとなくわかっていただけたでしょうか。ここからは具体的にどういう風にMODをやっていくのかをご紹介します。
OC PINの取り付け方法
この穴にピンをねじ込んでいきます。手でやるよりピンセットを使ったほうがいいです。
こんな感じ。ただ、この写真の状態ではまだ完全には刺さりきっていません。結構固いですので、少し力を入れて押し込む必要があります。
この状態で上にハンダを盛って、コテでPINを押しながらハンダを溶かして固定します。すぐ近くに実装部品があるのでそのあたりを傷つけないように注意しながらはんだ付けを行ってください。
私もそこまではんだ付けになれていないので汚いですが、まあこんな感じになればOKです。
正面から。汚いけどこれでも動きました。
表面から見るとこんな感じ。参考までに。
動作確認
そして大事なのは動作確認です。このOC PINですが、完全に挿さりきってなかったり微妙に角度がずれていたりするとちゃんと動作してくれません。
動作確認の方法ですが、電源等は繋がず、KBL-X CPUのみをつけた状態でProbelt(各種電圧等をテスターで計測できるところ)のDMIの抵抗値を測ることで確認することができます。
ProbeltはRSVDSwitch等があるところにあります。DMIの抵抗を測るには左から4番目と一番右のところで抵抗値を測ってあげればOKです。
こんな感じで、抵抗値が2K ohm以下になればOKです。大体のCPUは40ohm前後になると思います。
ここで、もしちゃんとした抵抗値が出なかったら、先ほど言ったとおりおそらくPINが完全に挿さりきっていない状態か、PINが微妙に傾いたりしてちゃんと当たっていない等の問題が考えられますので、微調整をしてみてください。結構シビアなのでちゃんと当たらなくても心配しすぎることはないです。頑張ってトライしてみてください。
以上、極めて需要がないであろう番外編の記事でした。試したい方はくれぐれも自己責任でどうぞ。
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